◆推進したい国、コスト増大で後ろ向きな加盟店とのジレンマ

まだ確定ではありませんが、2019年10月1日から消費税が10%に上がることは周知の事実です。一部では、2度あることは3度あるやら、来年の選挙戦に向けたアピールフラグやらの報道が散見されますが、ほぼ間違いなく消費税増税は決まりでしょう。やれ軽減税率はどうする、やれイートインの取り扱いはどうする、やれインボイス始まるなど、増税にあたって混迷を極めそうな事態ですが、その中でも個人的に着目している施策が、「2%キャッシュバック(ポイント還元)」です。

料金の支払いにクレジットカードやICカード等で決済した場合、増税分の2%を国が補助するこの政策、それはそれは非難の声が飛び交いそうですが、キャッシュレスを推進するという意味ではありだと思います。と言うか増税のどさくさに紛れて、なかなか進まなかったキャッシュレスをどんどん推し進めようという意図があるように思えます。

消費者からすればさもアメを与えられているように錯覚しそうですが、実はそこには脱税許さずというムチがあると思います。
まーたかだか2%、アメにもなり得なそうですが。
一方ムチについて、これは飲食や小売りなどの現金商売を排除する狙いがあると。補助して排除です。売上げの除外は現金商売であるから発生するのであって、クレカやICなどでの決済の場合、必ずそこに足が付きます。ここにこの施策のミソがあるんじゃないかと考えています。

 

 

 

つまりカード使うとこんなにお得なんですよ的なニンジンをぶら下げ、消費者のカード利用を促進し、加盟店の数を増やし、究極的には現金を全く取り扱わない社会=脱税の防止、という構図の出来上がりです。
調べてもでてこないし、たぶん公表もしてないんですけど、これによって税収がかなり上がると思うんです。
国としては、今後カード利用をマストにしたいんじゃないかくらい。そのためには、2%ポイント還元ぐらいわけないと。
そんな中タイミングよく消費税の増税があって、インバウンドの増加に伴う外国人旅行客の対応だなんだと何となくな理由をつけて、キャッシュレスを普及させるという、まーしかしあくまで推測ですが。

 

ただこれには大きな問題があります。単純にカードを持っていない人と、クレジットカード会社へ支払う手数料を嫌う加盟店の存在です。
政府が悲願とするキャッシュレスが進まない大きな要因は、何といってもここですよね。いやカード作れよ、というのもあると思いますが、とにかくカード会社への手数料が高い。業種にもよりますが、二桁%なんてのもあります。
血の滲むようなコストカットの末、ようやく生み出した利益をカード会社への手数料で食いつぶされては、経営者としては何とも悩ましい限りでしょう。(この手数料、消費者が負担するわけではないのでイメージが湧きづらい面がありますが、カード会社への手数料は加盟店(店)が払っているのですよ。カード決済をしたとき、チッ現金で払えやと内心思ってるでしょう。)

 

 

 

政府もやはりここに目を付けました。カード会社への手数料は、3%台を上限にするよう方針を固めているようです。
これはこれでカード会社からの反発すごそうです。そこに対しても補てんがあるんでしょうか。
そこまでしてキャッシュレスを進めたいのかは謎ですが、根幹は脱税の防止が大きいんじゃないかと考えています。

 

 

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