◆ケースによっては役員賞与の可能性

以前の投稿で、国税のクレカ納付が可能になり、ポイントやマイルが貯まることをお伝えしましたが、法人カードや事業用として使用しているカードで貯まったポイント・マイルを使用する際、注意が必要です。
ポイントは一種の値引きにあたりますので、使用した時点で経費の減少となります。
例えば1万円の消耗品をカードで購入、1000ポイント(1千円相当)が貯まり、後日その1000ポイントで何か別のモノを買った場合。
それが事業用のモノであれば何も問題ないかと思いますが、家事用として費消した場合、初めに購入した1万円の消耗品の経費性が問題になります。これ、厳密には9千円が事業用経費(損金)、1千円が経費ではないということになりますが、法人のサイフからは1万円出て行くわけなので、ポイント分が貸付金ないしは賞与という扱いになるかと思われます。仕訳はこんな感じで。

役員貸付/雑収入 1000
又は
役員賞与/雑収入 1000

後者は源泉所得税というダブルパンチも喰らうので、1番痛いですね。
利益が出ていれば、この瞬間法人税、消費税、源泉所得税を修正しなくてはいけなくなります。

 

ちょっと話しが逸れますが、建設業や歯科医業など、業種によってスクラップ(廃材・作業屑)が発生するものがあります。
この廃材収入、最近のトレンドなのかってぐらい調査で突かれるのですが、収益計上せずに社長や理事長のポケットイン率がかなり高いことが理由かと思います。
収益計上がなされていない場合、上記仕訳と同じような否認のされ方となります。
調査官はスクラップ業者に反面調査を行いますので、どのくらい廃材収入があるかある程度掴んでます。
これは以前知り合いの税理士から聞いた調査時の一部始終です。

 

 

調査官「御社の業種、業態から一般的に作業屑が発生することが多いと思いますが、期中に廃材収入はありましたか?」
A社長「いや、そういうのは特にないです
調査官「そうですか。んー変ですねぇ、おかしいですねぇ、はぁはぁ。(←もうこの瞬間嬉しくてたまんないのでしょう)●●金属に伺ったところ、○月○日に○○円、△月△日に△△円御社に対して支払った調書がここにありますが?」
A社長「・・・・・はて、そう言えばあったような気がするなー。いやはやよく覚えてないです。

知ってるのに知らないふりをして聞き出そうとする手口、汚いですよね。実にセコイ。
このケースでは赤字部分が隠ぺい行為に該当するので、場合によっては重加算税の対象になってしまいます。
廃材収入がある際は、くれぐれも気を付けてくださいね!

 

話し逸れました。先ほどのポイントの例でさすがに重加はないと思いますが、過少申告加算税と延滞もセットでついてきます。
何が言いたいかと言うと、安易にポイントを使うのはこうした指摘を受ける可能性があると。例えば、気付けば法人カードのマイルが8万も貯まってた!たまには奥さんとハワイに行こう(ちなみにハワイまでのエコノミー往復航空券は4万マイル)!なんてことがあったとして、調査官にマイルの使途を突かれた際には、単純に8万円が否認ということではなく、一般的なエコノミークラスの往復航空券代が否認されると思われます。時期にもよるのでしょうが、だいたい20万くらい?そう考えるとマイルの換金率てすごいですよね。

とは言うものの、今までの経験上調査でポイントの使途まで突っ込まれたことは一度もないですし、そういった話しも聞いたことないです(現実にはあるのかもしれませんが)
ただ、私用でというのは、やはり上記のような指摘は十分に考えられます。
事業で貯めたものは事業で使う。ポイントであれば事業で使うパソコンであったり、プリンターであったり。マイルであれば社員旅行などの足しで使ったり。保守的な意見ですが、これが最も無難と考えます。

 

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