◆メリット、デメリットには要注意!

平成29年1月より、国税のクレジットカード納付がいよいよ可能となりました。対象税目は法人税や消費税、源泉所得税などほぼすべての国税に対応しているようです。残念ながら法人市県民税などの地方税は、まだ対応が追いついてないようですが、遅かれ早かれこちらも可能になってくると思われます。
なお、源泉所得税は今のところ告知分のみで、一般的な納付方法のクレカ対応については、平成29年6月からを予定中とのことです。

 

 

最近国税庁のホームページにQ&Aが出ておりましたので、以下気になった点を引用します。
詳細はコチラのページへ⇒クレジットカード納付のQ&A

Q1-2 夜間や休日も利用できますか。

(答)

クレジットカード納付は夜間休日を問わず、24時間いつでもご利用が可能です。

※ メンテナンス作業等でご利用いただけない時間が生じる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

Q1-3 領収証書は発行されますか。

(答)

領収証書は発行されません。
領収証書が必要な場合は、現金に納付書を添えてお近くの金融機関や所轄の税務署の窓口で納付してください。
なお、金融機関や税務署の窓口での納付にクレジットカードはご利用いただけません。

Q1-6 クレジットカードのポイントはつきますか。(平成29年1月4日掲載)

(答)

ポイントについてはカード会社の会員規約に基づきますので、カード裏面に記載されているカード会社へお問い合わせください。

Q1-7 金融機関やコンビニエンスストア、税務署の窓口でもクレジットカードで納付はできますか。

(答)

金融機関やコンビニエンスストア、税務署の窓口ではクレジットカードによる国税の納付はできません。

Q2-4 納付手続の取消しはできますか。

(答)

「国税クレジットカードお支払サイト」での納付手続が完了すると、その手続の取消しはできませんのでご注意ください。
誤って納付手続をされた場合は、後日税務署から還付等の手続を行うこととなりますので、所轄の税務署へご連絡ください。
なお、決済手数料は国の収入になるものではありませんので、誤って納付手続をされた場合、還付等の対象にはなりません。

Q2-13 クレジットカード利用代金の支払回数は選べますか。

(答)

お支払は、一括払い・分割払い(3回、5回、6回、10回、12回)又はリボ払いの中からお選びいただくことができます。
なお、分割払い又はリボ払いの場合は、利用額に応じた決済手数料に加えて、各カード会社の定める手数料が発生する場合がありますので、あらかじめカード裏面に記載されているカード会社へお問い合わせください。

※ ご利用されるクレジットカードにより、支払方法が選択できない場合がありますので、ご注意ください。

国税庁HP「クレジットカード納付のQ&A」より

上記を踏まえた上で、メリットとデメリットをまとめてみました。

▼メリット
資金繰りにゆとりを持たせることが可能
(例) 法定納期限29.7.10の源泉所得税の支払いについて、7.9に手続きを完了→末締め翌々5日払いの場合、9.5に支払い決済(カード会社の締め日、支払いサイトによる)
ゆとり世代もびっくりです。

・支払い手続きがネット上で完結するため、納税のための金融機関での待ち時間や移動など、時間・費用のコストが減少

・クレカ納税でポイントやマイルが貯まる→これに関してはカード会社によるみたいですが、アメックスはマイルが貯まるようです。

・ダイレクト納付(電子納税)のように税務署への届出が不要

分割払いも可能

▼デメリット
領収書が発行されない→金融機関からの融資の申し込みや社保調査時などに使用しますが、領収書が必要な場合は従来どおりの納付でないとダメみたいです。納税証明などで代替可なのか現時点で不明

・カード会社への支払いを遅滞した場合、延滞税の計算は納付手続き完了日から起算される→うっかり資金不足で引き落としがかからないことのないよう注意

・1万円ごとに税込82円の決済手数料がかかる→カード会社への手数料は納税者負担となります。

・手続き完了後の取消し不可誤納付の還付は可、決済手数料の還付は不可。世知辛い世の中です。

・1000万円以上の税額の納税はできない

・ネット環境が必須。操作がややわかりづらくスパルタ。優しくない。

注目すべきは、やはりポイントやマイルが貯まる点でしょう。決済手数料の負担率が約0.82%となるわけですが、ポイント還元率がそれを上回れば得。消費税や源泉所得税は多額になりますが、例えば400万円の消費税をクレカ納税で行った場合、某アメックスは4万マイル以上貯まります。4万マイル=ハワイ往復分(エコノミー)なので、決済手数料が約33,000円掛かったとしてもまぁ。。しかも決済手数料は消費税の仕入税額控除にもなるし、当然損金だし、税効果考慮後の負担率は0.5~0.6%といったところでしょうか。ただし、こういったポイントなどの私的な使用は当然まずいです。詳しくは今度書きたいと思います。

ただそれ以外でもメリットは多く、特に24時間手続きが可能なのも、窓口へ行く手間が省けうれしいところです。
国民年金がクレジットカードで支払えるようになって久しいですが、国保や社保、住民税もクレジット決済可になる日は、そう遠くないかもしれません。

 

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