月: 2016年3月

  • 固定資産税が還付【札幌地裁の判決より】

    固定資産税が還付【札幌地裁の判決より】

    ◆居住用、時々事務所用マンションの固定資産税は要確認!

    先日、札幌地裁で興味深い判決が下されました。その内容は、賦課課税方式である固定資産税(都市計画税を含む。以下「固都税」)と不動産取得税について、札幌市と北海道が行った賦課決定は不当、遅延損害金という利息付きで過大徴収税額の返還が命じられた、というものです。この判決により、今後似たようなケースで、固都税や不動産取得税の還付請求が各自治体で勃発する可能性があります。

    そもそも税金の課税方法には、法人税や所得税のような納税者が自主的に税額を確定させ、税務署に対して申告する「申告納税方式」と、国や行政が税額を決定する「賦課課税方式」の2種類が存在します。固都税の税額は賦課課税方式に該当し、以下の計算式に従って納税額が算出される仕組みです。

     

    固定資産税 課税標準額×1.4%
    都市計画税 課税標準額×0.3%

     

    土地や建物の課税標準額については、調査員の人が何だかよく分からないところで調査しているんです程度に割愛しますが、今回のケースでは、建物であるマンションの課税標準額算定方法に合理性がないと判断されました。ポイントは、マンションの用途が居住用であれば固都税が安い、事務所用であれば高いという点です。

    ここで札幌市が行った方法というのが、一棟のマンションについて、事務所部分は事務所用として算定、居住用部分は居住用として算定というもので、用途に応じて別々に計算していました。これに対して裁判所が下した判決が、建物の主要な用途が居住用ならば全体を居住用として計算して、各共有者の床面積に応じて税額を負担するのが妥当というものでした。これにより、原告側の当初納税した固都税と不動産取得税は過大で、差額計約62万円が還付されることとなりました。

     

     

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    ◆賦課決定というブラックボックス、納税者が調査官に

    賦課課税方式は、たしかに行政側が勝手に計算してくれるので、納税さえしていれば何も文句は言われず非常に楽です。ただし、今回のケースのように計算が間違っていることもあり、何もアクションを起こさない限り余分に税金を払わされている可能性も大いにありうるわけです。特に固都税の算出について、詳細な手法については各自治体(それこそ担当調査員レベル)の裁量によるところがあり、同じ条件なのに計算結果が異なることがあります。ちなみに今回の札幌市のように、用途ごとに異なる算定を行っている自治体はほかに、横浜市、相模原市、浜松市、大阪市、北九州市、熊本市、京都市などがあるそうです。横浜市も入ってますね。むむ。

    申告納税制度においては、納税者の申告に基づき納税額が確定されるため、どうしても調査はつきまとってきますが、特に固都税や不動産取得税のような賦課課税方式の税目については、本当にそれが正しいのか、私たちが調査するような立場になって考えていくべきかもしれないです。

     

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    ・人気のタワーマンション節税、当局の監視強化へ

  • まもなく確定申告期限、見落としがちなポイントを総ざらい②

    まもなく確定申告期限、見落としがちなポイントを総ざらい②

    前回に引き続き、個人的に見落としがちなポイントをピックアップしたいと思います。

    ◆還付申告し忘れた・・・でも5年前まで遡れます!

    平成23年の改正によって、更正の請求(誤って過大に申告納付したケースや、還付金が過少又はその記載がなかったケースについて、申告を正すお願い)が法定申告期限から5年まで遡って行うことが可能になりました。これまではわずか1年と何ともケチだったため、機会を逸していた方は多くいたかと思いますが、この改正により裾野が広がりました。
    誤って過大に申告とは、例えば扶養を入れ忘れていた、社会保険料控除や医療費控除をし忘れていた、単純に計算を間違えていたなどが該当します。

    このような場合は、以前の申告が間違ってたから訂正させて!お願い税務署の人!という感じで許しを求めて請うわけです。
    ただし、措置法の特例など当初申告要件が定められているものもあるため、特例の適用忘れには本当に注意が必要です。

     

    では、サラリーマンの方など確定申告の義務がそもそもなかった人で、あとで医療費控除などの適用もれに気づいたケースはどうなるのでしょうか。上述の更正の請求は、以前に申告をした方が対象ですが、そのようなケースは【所得税の還付申告】に該当します。この還付申告も更正の請求と同様、5年前まで遡って申告することが可能となります(更正の請求は法定申告期限から5年、還付申告は還付のための申告書を提出できる日から5年と細かい違いはあります)。

     

    あれ、きょう何日だっけ?9月17日?蝶野さんの誕生日だねっか!あー還付あったのに申告期限過ぎちゃったーガッデム、という方。3月15日の申告期限までに間に合わなかったとしても、このように一部の申告については期限後でも還付されるので、申告期限が過ぎても諦めちゃダメです。なお、以前お伝えした 特定口座【源泉徴収ありの盲点】 につきましても、期限後の還付申告によって還付されますので、合わせてご覧ください。

     

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    ◆両親が要介護、障害者控除の対象に

    この控除、前々から気になってしょうがなかったのですが、呼称何とかならないんですかね。いかにも感がもろに出てて、なんだかなぁと感じます。例えば特別扶養控除的な感じの方がいい気がします。
    本題ですが、一般的に障害者控除とは、本人又は扶養親族が障害者であることによる所得控除を指しますが、必ずしも障害者の方オンリーというわけではありません。一定の要件を満たすことにより、介護を必要とされている扶養親族についても障害者控除の対象となります。このあたり、誤解を生みやすくなっているので、控除もれには特に注意が必要です。これなんかも介護控除とかにすればいいのに。。紛らわしいったらありゃしないです。

    介護の程度ですが、必ずしも介護保険法に言う要介護認定を受ける必要はありません。あくまで、市町村長等の認定を受けた場合に障害者控除の対象となります。ただし、その認定は各市区町村によって要件が異なりますが、多くのケースで要介護認定を受けた方を対象にしているようです。以下、大田区の基準です。(参照:大田区ホームページ)

     

    特別障害者に準ずる者
    認定 認定基準
    (1)重度身体障害者(1級、2級)に準ずる者 要介護3、4、5に認定されており、かつ、主治医意見書等により「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)」がランクB、Cとみなされる者
    (2)知的障害者(重度)等に準ずる者 要介護3、4、5に認定されており、かつ、主治医意見書等により「認知症高齢者の日常生活自立度」がランク4(4はローマ数字の4)、Mとみなされる者
    (3)寝たきり高齢者 要介護3、4、5に認定されており、かつ、主治医意見書等により「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)」がランクB、Cとみなされる者のうち、その状態が6ヶ月以上にわたる者

     

    障害者に準ずる者
    認定 認定基準
    (1)身体障害者(3級から6級)に準ずる者 要支援又は要介護に認定されており、かつ、主治医意見書等により「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)」がランクA以上とみなされる者
    注意:但し、特別障害者に準ずる者を除く
    (2)知的障害者(中度、軽度)等に準ずる者 要支援又は要介護に認定されており、かつ、主治医意見書等により「認知症高齢者の日常生活自立度」がランク2(2はローマ数字の2)以上とみなされる者
    注意:但し、特別障害者に準ずる者を除く

     

    うーむ、何だか読む気しないですね。要するに要介護の親族がいる場合、税額が大きく変わる可能性があります!

    この点も含め、ご質問等がある方はコチラまで⇒お問い合わせ

     

    合わせてこちらの記事もご覧ください。
    ・まもなく確定申告期限、見落としがちなポイントを総ざらい
    ・特定口座【源泉徴収ありの盲点】

  • まもなく確定申告期限、見落としがちなポイントを総ざらい

    まもなく確定申告期限、見落としがちなポイントを総ざらい

    こんにちは。
    最近なぜか毎日のように、はるか遠方ロシアの方々からアクセスいただいている丈夫会計事務所です。ズドラーストヴィチェ!
    インターナショナルな会計事務所を目指したいです。

    平成27年度の確定申告も、早いもので残すところあと3日となりました。前回、前々回とあまり馴染みのない分野での投稿でしたが、今回は個人的に確定申告で見落としがちなポイントをまとめてみたいと思います。

     

    ◆交通費も医療費控除○

    お医者さんに通うために電車やバス、タクシーを利用して通院するケースは多々あるかと思いますが、これらの交通費も医療費控除に含めて申告することが可能です。ただしタクシーに関しては一般的にはその全ての金額が医療費控除の対象となるわけではなく、突然の陣痛など、病状からみて急を要する場合や電車、バス等の利用ができない場合に限ります。
    また、電車やバスについては、日付、医院名、経路、金額などをエクセルやノート、メモ書き等でまとめ、そちらの合計額を交通費として「医療費の明細書」に記入することが可能です。このとき、この書類も医療費の領収書とともに添付して申告します。イメージ的には下図の通りです。

     

    平成○○年度 交通費精算
    日付 医院名 経路 金額
    1/1 ○○クリニック 自宅-最寄バス停 ○○円
    2/1 ○○歯科医院 ○○駅-最寄駅 ○○円
    3/1 ○○病院 タクシー(領収書別添) ○○円

    ↑こういうのをgifなどを駆使してカッコよく作りたいものです。。

     

    なお、自家用車を使用した場合のガソリン代や高速代、駐車代は医療費控除に含みませんのでご注意ください。
    なんでも電車・バスは人的役務提供だからいいのだとか。。友人の母は陣痛の際、自分で運転して病院に行ったそうなので、残念ながら医療費控除の対象になりませんね。なんだかなぁ。

     

     

    ◆意外に多い?窓口に赴いて提出しなければいけないという固定観念

    職人さんやフリーランスの方などで、確定申告書の作成は終わったけど提出するために仕事を半日休まなければいけない、と嘆いておられる方が身近に結構いらっしゃいました。この時期は本当に恐ろしく税務署が混んでいるため、収受印をもらうだけでも一苦労です。税務署までの移動時間なども考えると、下手をしたらそれだけで一日時間を割いてしまいます。

    申告書の提出方法ですが、郵送で問題ないです。この時、必ず返信用封筒と切手を同封して収受印を押してもらった控えを送付してもらいます。控えがいらない場合は除きますが、通常は税務署提出用の正、提出者保管用の控というかたちで、申告書の分かりやすいところに記載します。郵送の手段は普通郵便でも受け付けてくれますが、確実性を求める意味でも書留や簡易書留、特定記録で送付するのが無難です。また、申告書は信書に該当しますが、レターパックでも送付することができます。
    この仕事に携わっている方には当たり前のことかもしれませんが、一般の方にはあまり周知されていないことなんだと感じた瞬間でした。

     

    なんか長くなってしまったので、2回にわけて投稿したいと思います。何となく1000字を超えるとスクロールも多くてだれると思うので。。スパシーバ!

    もう少しお付き合いいただける方は、こちらもご覧ください。
    ・まもなく確定申告期限、見落としがちなポイントを総ざらい②
    ご質問等はコチラまで⇒お問い合わせ

     

  • 店舗兼住宅のマイホームを売却 特例の適用は?

    店舗兼住宅のマイホームを売却 特例の適用は?

    ◆3000万円控除をフルに使えるケース

    居住用財産、いわゆるマイホームを売却した際に売却益が生じていた場合、一定の要件のもとで確定申告を行うと、その利益から3000万円を控除することができる特例があります。不動産を譲渡したときは、その土地と建物をいくらで取得したかが大きなポイントとなりますが、マイホームを譲渡した場合、取得価格が不明だとしても、この特例を使えば大半のケースで税額をゼロにすることが可能です(贈与税の配偶者控除などをうまく使い、その効果をさらに倍増させるなど細かな面もあります)。他に買換えの特例等、マイホームを譲渡した際には特例が多くあり、その後の生活に支障をきたさないよう国策で定められています。

     

    前置きが長くなりましたが、自宅の一部を貸している場合や、店舗兼住宅を譲渡した場合は、その面積に応じて3000万円を按分しなければなりません。つまり、1階がお店で2階が住宅として使用しているケースは、単純に1500万円の控除となります。自宅の一部を貸しているというケースはあまり想定されないかもしれませんが、例えば社長の自宅を一部会社に貸し付け、事務所用として使用している場合など、面積按分の必要性がでてきます。同族会社においては、会社から賃料を取るというケースは多くありますので注意が必要です。
    ただし、居住用(A)と非居住用(B)の割合を計算した結果、居住用の割合が90%以上となった場合は面積按分をすることなく、3000万円控除をフルに使用することが可能です。なお、この居住用の割合にはトイレや廊下など、いわゆる居住用・非居住用のいずれにも使用される共用部分についてもさらに細かく按分し(C)、(A)+(C)の割合が最終的に90%以上になればよいこととされています。

     

     

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    ◆90%以上はなかなかあてはまらない。けど3000万円フルに使いたい・・・

    そうは言っても、どうやって10%のスペースで店経営するんじゃい!あれか、魚屋なのにサンマしか置けないんか?サンマオンリーで勝負するしかないんか!?というところですが、これはもうどうしようもありません。。ただし、こんなことを言ったら怒られそうですが、店舗兼自宅を売却するということは、お店を廃業することが想定されます。廃業せず事業は継続するにしても、店舗兼住宅は売却するわけな(これ以上は自嘲します)。
    3000万円控除の使いやすいところは、居住用の年数などが要件にないことです。もし売却することが決まっているのであれば、先に廃業届を提出し、それから売却をすれば面積按分することなくフルに使用することが可能です。ただし、廃業したからと言って店舗スペースをそのまま放置していたのでは否認される可能性があるため、あくまでその後は自宅として使用したと立証できる根拠がほしいところです(例えば物置として使用する、業務用の冷蔵庫は処分する、建物の登記事項が店舗兼居宅等になっているのであれば、店舗から居宅に変更した旨の表示変更登記を行っておくなど)。
    会社に一部貸し付けているケースも同様です。
    ワンクッション置くことで大きく税額が変わることなので、マイホームに限らず不動産を譲渡する際は、事前に綿密な打ち合わせを行うことが肝心です!

     

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  • 特定口座【源泉徴収ありの盲点】

    特定口座【源泉徴収ありの盲点】

    ◆源泉徴収ありを選択した特定口座、そのまま放置していないですか?

    確定申告シーズン真っ只中につき、今回は所得税について。
    医療費控除や確定申告対象者のお話しなど、ネットで検索すればいくらでも出てくるようなトピックではなく、あまり馴染みがないと思われる分野を中心に進めていきたいと思います。

     

    タイトルの通り、源泉徴収ありを選択した特定口座ですが、これには二つの落とし穴が存在します。株式等の売買を行うには、証券会社を通じて証券口座を開設しなければなりません。その際に、特定口座か一般口座を選択し、特定口座を選択した場合はさらに「源泉徴収あり」か「源泉徴収なし」を選択することになります。一般口座や源泉なしの特定口座については、今回は割愛します。

    源泉徴収ありの場合、同一年度内における株式等の売買や配当等に係る税金の計算を、証券会社が自動で行ってくれます。例えば、50万円で取得した株式を100万円で売却した場合、売却益50万円に係る税金101,575円を控除した898,425円(証券会社の手数料除く)が証券口座(MRFなど)に入金されるという仕組みで、納税がそこで完結されます。逆に100万円で取得した株式を50万円で売却した場合、売却損である50万円について、同一年度内であればそれ以降の売却益と通算してくれます。ただし、年度をまたいで売却損を繰越すには確定申告が必要となります。ここが一つ目の落とし穴です。

     

     

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    自分で確定申告をする必要がない、と思うとつい見落としがちなのですが、売却損が出ていて損失を繰越さないのは、本当にもったいないです。まして株式等の売却益や配当に対しては、平成26年より所得税・住民税合わせて20.315%と、それまでの倍に税率が上がっていますので、より税負担が重くなっています。損切りをしたとしても、毎年連続して確定申告することで3年間は繰越せるので、注意が必要です。

    *詳しくはこちらの国税庁HPをご参照ください。

     

    ◆損失もない。確定申告不要かと思いきや・・・

    とここまでは至極普通のことをお話ししました。なーにあたりまえのこと言ってそんくらい知ってるわこらーという皆さん、お待たせしました。二つ目の落とし穴ですが、専業主婦の方など、株式の売買や配当以外に所得がない方に特に注意していただきたい点です。

    上述の通り、源泉徴収ありの場合配当や譲渡益について税金が差し引かれるのですが、この配当の金額と譲渡益の金額を合算して、基礎控除額である38万円以下の場合、税金は全くかからないのです。生命保険料控除等がある場合、この金額がさらに跳ね上がります。つまり、他に所得がないことを前提に、売却益等が年間38万円だとすると、確定申告をすれば77,197円税金が還付されるのです。もちろん、予め一般口座や源泉徴収なしを選択した場合はこのようなことを考える必要はないのですが、何となくラクそうだから源泉ありを選んでいないでしょうか?
    世の中には知らなければ損をすることがたくさんあると思いますが、この制度は意外と盲点だと個人的に感じています。

    *専業主婦の方については、38万円を超えてこの申告をすると、控除対象外又は配偶者特別控除になることがありますので、注意が必要です。

     

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