前回に引き続き、個人的に見落としがちなポイントをピックアップしたいと思います。

◆還付申告し忘れた・・・でも5年前まで遡れます!

平成23年の改正によって、更正の請求(誤って過大に申告納付したケースや、還付金が過少又はその記載がなかったケースについて、申告を正すお願い)が法定申告期限から5年まで遡って行うことが可能になりました。これまではわずか1年と何ともケチだったため、機会を逸していた方は多くいたかと思いますが、この改正により裾野が広がりました。
誤って過大に申告とは、例えば扶養を入れ忘れていた、社会保険料控除や医療費控除をし忘れていた、単純に計算を間違えていたなどが該当します。

このような場合は、以前の申告が間違ってたから訂正させて!お願い税務署の人!という感じで許しを求めて請うわけです。
ただし、措置法の特例など当初申告要件が定められているものもあるため、特例の適用忘れには本当に注意が必要です。

 

では、サラリーマンの方など確定申告の義務がそもそもなかった人で、あとで医療費控除などの適用もれに気づいたケースはどうなるのでしょうか。上述の更正の請求は、以前に申告をした方が対象ですが、そのようなケースは【所得税の還付申告】に該当します。この還付申告も更正の請求と同様、5年前まで遡って申告することが可能となります(更正の請求は法定申告期限から5年、還付申告は還付のための申告書を提出できる日から5年と細かい違いはあります)。

 

あれ、きょう何日だっけ?9月17日?蝶野さんの誕生日だねっか!あー還付あったのに申告期限過ぎちゃったーガッデム、という方。3月15日の申告期限までに間に合わなかったとしても、このように一部の申告については期限後でも還付されるので、申告期限が過ぎても諦めちゃダメです。なお、以前お伝えした 特定口座【源泉徴収ありの盲点】 につきましても、期限後の還付申告によって還付されますので、合わせてご覧ください。

 

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◆両親が要介護、障害者控除の対象に

この控除、前々から気になってしょうがなかったのですが、呼称何とかならないんですかね。いかにも感がもろに出てて、なんだかなぁと感じます。例えば特別扶養控除的な感じの方がいい気がします。
本題ですが、一般的に障害者控除とは、本人又は扶養親族が障害者であることによる所得控除を指しますが、必ずしも障害者の方オンリーというわけではありません。一定の要件を満たすことにより、介護を必要とされている扶養親族についても障害者控除の対象となります。このあたり、誤解を生みやすくなっているので、控除もれには特に注意が必要です。これなんかも介護控除とかにすればいいのに。。紛らわしいったらありゃしないです。

介護の程度ですが、必ずしも介護保険法に言う要介護認定を受ける必要はありません。あくまで、市町村長等の認定を受けた場合に障害者控除の対象となります。ただし、その認定は各市区町村によって要件が異なりますが、多くのケースで要介護認定を受けた方を対象にしているようです。以下、大田区の基準です。(参照:大田区ホームページ)

 

特別障害者に準ずる者
認定 認定基準
(1)重度身体障害者(1級、2級)に準ずる者 要介護3、4、5に認定されており、かつ、主治医意見書等により「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)」がランクB、Cとみなされる者
(2)知的障害者(重度)等に準ずる者 要介護3、4、5に認定されており、かつ、主治医意見書等により「認知症高齢者の日常生活自立度」がランク4(4はローマ数字の4)、Mとみなされる者
(3)寝たきり高齢者 要介護3、4、5に認定されており、かつ、主治医意見書等により「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)」がランクB、Cとみなされる者のうち、その状態が6ヶ月以上にわたる者

 

障害者に準ずる者
認定 認定基準
(1)身体障害者(3級から6級)に準ずる者 要支援又は要介護に認定されており、かつ、主治医意見書等により「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)」がランクA以上とみなされる者
注意:但し、特別障害者に準ずる者を除く
(2)知的障害者(中度、軽度)等に準ずる者 要支援又は要介護に認定されており、かつ、主治医意見書等により「認知症高齢者の日常生活自立度」がランク2(2はローマ数字の2)以上とみなされる者
注意:但し、特別障害者に準ずる者を除く

 

うーむ、何だか読む気しないですね。要するに要介護の親族がいる場合、税額が大きく変わる可能性があります!

この点も含め、ご質問等がある方はコチラまで⇒お問い合わせ

 

合わせてこちらの記事もご覧ください。
・まもなく確定申告期限、見落としがちなポイントを総ざらい
・特定口座【源泉徴収ありの盲点】