◆10年後、税理士は消えてなくなる?

いきなり自爆するような小見出しから入りました。もしそうなってしまったら、悲しいかな私は無職で廃人となってしまいます。。最近よくネットや書籍でこういった類の情報が入ってくるので、その度にとてもへこみます。

さて表題の「FINTECH(フィンテック)」ですが、これは金融「FINANCE」科学技術「TECHNOLOGY」を合わせた造語で、近年注目されるIT用語です。長くなるので細かい説明は省略しますが、こちらに詳しい記事が掲載されています。リンク張らせていただきます。

最近、よく聞くフィンテックってどういう意味?

このフィンテックがどのように税理士業界、会計業界に影響を及ぼすかと言うと、一番大きなところでは「記帳作業の全自動化」だと思います。遡ること20年(ぐらい?わかんないです)、本格的なパソコンの導入を機に、それまで手作業・自力で行っていた会計業務(主に記帳作業)や申告書作成を、ソフトを使うことで大幅に時間を短縮することが可能になりました。そろばんや電卓のみで総勘定元帳や申告書等を作成していた時代からすると、これは革命的な出来事だったと聞きます。しかし、こういったパッケージ型のソフトは数字を集計するに留まり、あくまで人の手で原資資料から処理しなければならないという限界がありました。ここで例の「フィンテック」が登場します。

 

 

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銀行の窓口に並ばず、それどころか銀行に行かず、毎月の支払関係を完結させることによって時間とお金を節約、というネットを活用したネットバンキングは今に始まったことではありませんが、フィンテックの到来によって、取引の都度仕訳の起票が自動でなされるようになりました。また、クレジットカードのWEB明細も自動で取り込め、カード明細がないーなくしたー再発行してくださいーといった経理泣かせの事態もなくなりました。極め付けは、現金で支払った領収書など、写メやスキャナーで取り込むことによって、これまた自動で仕訳を起こせるようになりました。

つまり、取引の大部分を占める現預金の仕訳(一般的に全取引の8~9割と言われています)を、すべて自動でAIがやってくれると。これはもう記帳作業をウリにしてきた会計事務所からすると、由々しき事態です。エライこっちゃです。さらにもう間もなく、知識が全くなくとも申告書まで作れてしまう時代が来てしまいます。勘弁してくれよ。。

 

◆10年後も生き残るための税理士事務所を構築!

あれもAI、これもAIの時代で税理士イラネの様相を呈してますが、あまりネガティブなことを言っても始まりません。むしろ、フィンテックの到来で会計事務所のビジネスチャンスが広がったと考えています。さっきと言ってることが矛盾するんじゃ、、と思われそうですが、これは会計事務所の業務時間短縮にも繋がります。しかも大幅に。その浮いた時間を節税対策や資金繰り相談といったことはもちろんのこと、人事・事業戦略といった経営相談、事業承継・相続対策、不動産コンサルやライフプラン形成へと充てることが可能となります。最近は経営力向上計画や補助金支援といった認定支援機関の業務にも力を入れておりますが、こういったことが当事務所の強みであり、付加価値の高いサービスと考えています。

 

 

フィンテックはたしかに業界の未来を危惧させる進化です。記帳業務オンリーの事務所は間違いなく淘汰されるでしょう。当事務所もマネーフォワードさんのMFクラウド会計を使用していますが、税理士泣かせのえらいもん作ってくれたなと最初は思いました。ですが、上述のようなコンサル系の業務に時間を割くことができるため、決して悲観はしてません

業種に特化したスペシャリストになるのもいいかもしれませんが、なるべく何でも手広くやります総合事務所を目指そうと思います!10年後、いや30年後も生き残るために!なんか意識高い系の内容になってしまいました。

 

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